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戦闘――溶岩を泳ぐ胴長龍

 続きからどうぞ!

 2014/6/17修正。リユイの背丈ミスってるー(;; ) ユッキーと同じ背丈だから、殆ど!

「かーれはどっこにいーるのーかなー♪」
 轟々とマグマが蠢く、ほの暗い洞窟の中を、少年デューマンが歩いていく。
 銀色の短髪に隠れる程度の、小さな角を生やした少年ーーユキナミは、その背丈に不釣り合いな長槍を手に揚々と歌っていた。
「出ーないとくーびもと切り裂くぞー♪」
 黄を基調とした服を覆い隠す黒の外套を意気揚々と翻し、隠密という言葉と真逆の行進を持って、この世界を楽しんでいた。
「しー、です。声が大きいですよ、マスター。ついでに下手ですよ」
 そんな少年を窘める、子供の声。酷く小柄な少年とほぼ同じ背丈の、小柄な少女が発した言葉に、少年はだってさー、と口を尖らせた。
「暇ー。リユイだって暇でしょー?」
 ユキナミの後ろを歩く少女――サポートパートナーのリユイに対して、同意を求めるように呟く。
 対して、彼女は長く伸びた前髪をうざったそうに撫でながら、己のマスターに凍てついた視線を投げた。
「だったらさっさと走って探して帰りましょうよ、わざわざ余計な相手を呼ばなくてもいいじゃないですか。そろそろ私死ねますよストレスで」
「生真面目すぎだよー。ヴァンさん所のリリィちゃんみたいに気楽にしてればいいのにー」
「あなた達が無邪気に自由に好き放題行く後始末、誰がしてると思ってます?」
 そっとロッドを握った少女が、凍てついた笑顔を浮かべる。彼女の主は、何事もないように視線を逸らした。
 そうして、逃げた主に追撃を仕掛けようとリユイが再度口を開いた――その、刹那。
 二人が歩く足下が、異音を立てて激しく揺れた。地の下で、巨大な何かが動き回っているような。
 その脈動を感じるとともに、ユキナミが歌を止め、リユイがさっと顔色を変えた。
「マスター!」
「後ろに跳んで!」
 掛け声と共に少年が、一拍遅れて少女が跳び退く。
 其れに呼応したように、丁度少年少女が立っていたその真下から、一匹の巨大な蛇が飛び出した。
 まるで水から飛び上がるように、大地を割って飛び出してきたその蛇は、ゆっくりと鎌首を持ち上げ、轟々と響く唸り声を轟かせた。

 巨大な竜の顔と、蛇のように長い胴体。大地を泳ぐ竜の顔には、血の色に輝く小さな瘤が付いていた。
「――見つけた。リユイ、間違いないね?」
 敵意に満ちた視線を受けながら、背負った長刀――愛用武器のブリューナクを手にして、ユキナミは静かに問いかけた。
 マスターの問いに、従者はただ冷静に答えを返した。
「間違いありません。浸食初めのキャタドラン――彼でしょう」
「おっけー」
 従者の回答に、少年は視線を逸らさぬまま呟く。
 そうして、不敵に笑った。
「――それじゃ、始めよう!」

 叫び、飛び出す。全てを置き去りに、愚直に前へ。
 一息に巨大な顔の前。蛇が反応――既に手遅れ。
 軽く跳び、見開かれていた瞳に、存分に刃を深く突き刺した。
「――グギャァァア?!」
 瞼の防壁を打ち抜いた一撃に、蛇が大きく身悶える――その隙に刃を抜いて、くるりと回ってもう一撃。顔の浅くを切りつけたか、僅かに血飛沫が上がって終わった。
 ――目を潰せたし、十分だね。
 地上に降り、心で呟く。同時に、蛇が大きく体を振り上げた。
 そうして、巨体を活かしての叩きつけ。即座に前へステップ。爆音と砂煙を巻き上げたその体の、節と節の間、赤い肉質部分に刃を振り下ろす。
 そのまま切り抜け、バックステップ。同時に、蛇がまた体を振り上げた。距離を取り、再度構える。と、キャタドランは、大きく鎌口をもたげたまま、吼えた。
 顔の周辺が上気し、空間が殺意に呑まれていく。
 ここからが全力だ、と言いたげに竜がこちらを見下ろし――その顔面に、氷の嵐が襲いかかった。
 ラ・バータ。指向性を持った氷の弾幕。先ほどからリユイが構えていた技だろう。
「ナイスだよ、リユイ!」
 ガガガガッ、と痛ましい音と共に、視界を奪われた竜が困惑気味に頭を振る。その決定的な隙を見逃すほど、お人好しではない。
 一足に踏み込み、首下――露出している部分を、振り上げた刃が存分に裂く。吹き出す血を、悲鳴を無視して、振り抜き、返す。
 三度ほど存分に裂いた所で、竜が大きく身悶え――そして、飛び上がった。

 巨大な其の体が宙に舞ったのは、数秒と無かっただろう。竜の体は地に落ちて――溶岩群へと、潜り込んだ。

 潜行――キャタドランの能力の一つであり、時折見かける行動。弱った際に、逃げる手段としても使用可能な能力だ。
「――マスター」
「いや、逃げる様子でもないよ」
 リユイの言葉を切って、刃を握り直す。
 空間から、殺意が消えない。突き刺すような敵意が去らない。元より、ダーカーに飲み込まれた存在に生存本能など、殆ど見受けられない。確実に、殺りに来る。
 大地が僅かに揺れ動き、標的の存在だけが感じられる空間で、ユキナミはただただ意識を澄ませた。溶岩の中に入れない以上、他に取れうる手段などない。
 ――逃げたとは思えないけれど。
 時折感じる、大地の脈動。響きを伴い蠢く其れ――
 グン、と微かに足下が揺れた。
「――!」
 気付いた――されど、動きが遅れた。
 飛び退く寸前、足が掬われる。股下の地が裂け、轟、と敵が――溶岩を纏った竜が飛び出した。其の開かれた大口に、右足が捕まった――
 激痛。噛みつかれた右足から、深紅の血が吹き出して、視界を赤に歪めた。
 噛みついたまま、竜が笑うのが見えた。
「マスター!!」
 強ばった少女の叫び。其れを聞き流し、ユキナミは――笑った。

 笑った竜の大口――噛み付いているが為に「露出している牙の付け根」。右足付近に覗いた其れを見据え、長刀を振り下ろす。深い斬撃に、竜が悲鳴。右足を引き抜き、刃を中心として、空に飛び上がる。
 伸び上がった竜の、其の血に濡れた瞳を、驚愕の中に尚覗く殺意を――その全てを受け入れて、少年は、笑った。

 昔から、自分の血を見れば、痛みを覚えたら、痛覚が途切れ、意識が透き通った。己の命より、相手の命を壊すことに重心が向いた。
 そうして、傷つけ傷つけ合い、命を奪い合う感覚が、ユキナミは何よりも好きだった。

「――さぁ、行くよ」
 誰に宛てた言葉かも理解し得ない呟きと共に、ブリューナクを振り上げ、青のフォトンを纏わせる。真横から薙ぐように、体勢を傾けて。
 ベクトルを失った体が、竜の方へと自然落下。痛みから立ち直ったキャタドランが、復讐に燃えた瞳をつり上げ、ユキナミへ喰らいつこうと大口を開け――
 其の顔面に、巨大な炎が炸裂する。巨大な火球――ラ・フォイエの一撃。
 溶岩を泳ぐ竜の皮膚にはダメージこそ少なかろうが、体勢を崩すには十分な一撃だ。最早、避けられる暇もない。
 ――ナイス、リユイ!
 己のパートナーに心の中で礼を言って、怯んだ竜の顔――其の、大きく開かれた顎の狭間。
 標的を見定めて、ユキナミは笑った。鮮烈に、血を張り付けて。
「――おわりっ!!」
 世界を薙ぐかの如き、青の閃光が竜を裂く。寸分の狂いなく放った刃は、標的の体を裁断し、其の全てを粒子へ還した。



 ――考えなしとはこういう事ね、全く。
 着地のことなど考えていなかったと、はっきりとわかる格好で地面に倒れる主を見ながら、リユイはただただため息をついた。
 一撃で仕留める姿は決まっていても、地面に顔面から突っ込んで倒れていては流石に無様だ。あの高さから落ちて瘤もなしというのは、賞賛に値すれど。
 わずかに苦笑しながら、リユイは己のマスターの隣に腰掛けた。回復処置も取った後だ、周囲に敵影もない。目を覚ますまで、少しくらい休憩してもバチは当たらないだろう。
「――全く、本当に世話がやけるマスターですよ」
 小さな声で呟いて、小さな角が生えた銀髪をそっと撫でる。少年は未だ夢見心地か、にへらと柔らかく笑っただけだった。


 ――あとがき。
 ユキナミ編の戦闘シーンは以上になります。うん、まずは思った事がある。昔、小説なんぞどうやって書いてたっけ!? 全く思い出せなくなってきた!!
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