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少し遅れたクリスマス。(1)

 えぇもうホントに(;; )
 作品内容は続きからどうぞです。






 クリスマスイヴ。
 聖夜のプレゼントは、
『素晴らしき闘争よ!』
 アークスの永遠の敵、ダークファルス【巨駆】だった。
「うざいー!」
「こんな日に来るなボケェ!!」
 アークスシップの群の中でも過去襲撃を受けて残骸しか残ってない場所とはいえ、間違いなく宇宙船団への侵攻にアークスは総出で迎撃。
「去ねぇぇぇ!!」
 数える気もなくなる戦闘の後、何とか追い返したが。
 予想外の緊急事態にアークスシップで予定されていたイベントは全て中止。戻ったアークスを迎えたのは白い雪とイルミネーションだけだった。


 そして話は、二日後へ移る。
「――はぁっ!?」
 突如、モールを飾り付けていたはずの少女の素っ頓狂な声が、パーティールームに響き渡る。
 クリスマスパーティーの準備に奔走していた、料理担当を除くメンバー――主にユキナミや諷雫といった交流好きなアークス達――は、何事かと声の主――クーナの方を振り返った。
 アイドルとして絶賛活躍中の彼女は、本来であればクリスマスイヴなんて物はイベント引っ張りだこであり、こうして友人達と遊んでいる暇などはない。実際、元々はクリスマスライブが予定されていた。
 が、数日前に発生したダーカー襲撃によるアークスシップの被害を受けて、数日間の延期となった。結果として、こうして友人達とのふれあいが有るわけだが――
「いやいや、話は通してたんでしょ!? クリスマスライブ延期だから、27日まで雪は必要だって――何してるのよその担当者!?」
 通信先へと、怒りに任せて声を張り上げる。少なくともアイドルが出していい声ではない。
 周囲には彼女のことをよく知る人間ばかりな為に問題はなかったが、万が一外の誰かに見られでもしたら一気にアイドルブームの終焉を迎えそうなレベルである。
「え? 雪なしで踊れって? ちょっと待って、あたしの考えた演出は――あぁもう切られたー!」
「クーナさん、どしたのー?」
「ピピィ」
 天を仰いで叫んでいる少女に対し、ユキナミ、ラピピが不思議そうに話しかけた。同じく作業中だったリリィ、諷雫も作業の手を止めている。
 天を仰いだままだったクーナは――ガクリ、と両肩を力無く落とした。
「……クーナさん?」
「ピピ?」
「――クリスマスライブ、全部考え直せってさーアハハハハハハハヴァント来るから頑張ったのにー!!!!」
 そうして思い切り発狂した。
 乾ききった笑い声である。聴く者の心を抉る勢いである。ついでに滂沱の涙である。
「ど、どしたのホント!?」
「ピピー!」
 慌てたリリィとラピピの問いかけ――ユキナミ、諷雫も同様ではあったが――に、彼女は酷く遠い目をして。
「――クリスマスライブのステージ周辺の環境設定、シップ担当者が普通の状態に戻しちゃったみたいなのよ。あたしはクリスマス仕様のまま雪残せって言ってたのに……!」
「普通の状態?」
「うん、普通の。クリスマスの時期ってほら、ストリートエリアにも雪とか積もってたじゃない。あれって、本来25日までの設定で、26日以降は暖かいいつものロビーに戻るのよ。それで、本来のライブは24日だから、雪の中でダンスしたり氷の演出考え

てたの」
 そこまで言って、はぁ、ともう一度肩を落とした。
「それがダーカー襲撃で延びたから、環境設定だけ27日まで延ばしてって依頼して……担当者がそれ忘れてやらかした、って訳で。もう修正不可って聞くし、泣いていいかな? 雪の中のダンス、一週間かけて考えたのにさー……」
「ど、どんまい……」
 アハハハ、と泣き笑うクーナの笑顔に、ユキナミはそう絞り出すことしかできなかった。

 しかし、その場にいた中に一人、否、一匹。
 ――クーナ、寂しそう。
 少し違う思考をした鳥ーーラピピが居た。
 ――雪がないから、寂しい? 踊れない?
 ラピピは知っていた。いつものクーナが話す事は、半分位はヴァントの事で。
 ヴァントが見に来ると知った時は、本当に喜んでた――喜びすぎでグルグル振り回されたりしたけど――。クーナが出来る全部を見せようってがんばったんだろうな、ってよくわかる。
 それが、誰かの失敗でできなくなった。どれだけ寂しいんだろう。どれだけ悲しいんだろう。
 ――雪がないから、それが出来ない?
 キラキラ光る、綺麗で冷たい綿みたいなの。クーナは必死にそれを使った演出を考えてた。お仕事から帰って、夜も寝ないで考えてた時もあった。
 なのに、今更それが出来ないなんて。
 ――!
 そこまで考えて、ラピピは即座に思いつく。
 ――だったら、雪を取ってくれば良い!
 アークスシップになくても、ほかの場所なら――
 二人と初めて出会った星。ナベリウスの、雪山なら。
「――ぴぴぃ!」
 ラピピは、任せて、と。
 肩を落としたクーナに見えるように、自分を羽で指し示した。
「ピッ!」
 ――すぐに取ってくるからねー!
「あれ、ちょっとラピピー!?」
 後ろから聞こえた誰かの声も、特に気にする理由にはならなくて。
 ラピピは外の世界へと飛び出した。


「――ラ、ラピピどうしたんだろ……?」
 一羽が風のように去って。
 ぽつりとこぼしたクーナの言葉が、凍り付いた時を動かし始める。
「任せとけ、って言ってるみたいだったね」
「いやいや任せるって何を――待て待て。クーにゃん、さっき何を考えてた、って言った?」
「え? 雪の中での、ダンス?」
 クーナが呟き、それに部屋が凍り付く。
 思いついた可能性を、リリィは躊躇いながらも、呟いた。
「……ラピピ。もしかして、雪を取りにいったんじゃない?」
「まさかー。まさかー……まさか……え?」
 ユキナミの、冷や汗とともに絞り出された声。
 それを否定できる言葉は、部屋にいた全員が口に出す事は出来なかった。
「と、とにかく私これから打ち合わせ行ってくるから。多分戻れないと思う。ごめんね、折角用意してくれたのに」
「あ、はい。それは仕方ないですけど、でも……」
 諷雫が言い淀み、だがやがて寂しげに微笑んだ。
「後で差し入れ持っていきますね」
「ありがと、フーナさん」



 その1です(・・ )
 作品的には12月27日には投稿したかったのですが無理でした(;; )
 続きは、うん。早めに頑張ります。
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 PSO2世界を旅する、気楽な放浪者の綴り草です。
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