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ある悪乗りの産物「末妹登場」

 なんか出来ちゃいました。続きから、どうぞ。
 後、こうした短編物語の時間軸については何も考えないようにお願い申し上げます(・・ )


 ――さて、どうしてこうなったやら。
「あはは、どうしたの? 大丈夫だよ? 何もおかしいことなんて無いよ、ね、ヴァント? だからさ、ちょっとお話しよう?」
「ほう、ならば其の封印解除されたサディーナロッドの存在はなんだ。椿から貰った時、人に向けろと習ったか?」
 斜め前左側。
 一般人ですら知覚可能であろう、膨大なフォトンをかき集めた、記憶喪失の少女がにこやかに笑うのに、半眼を返し。
「ヴァントは私のヴァントは私のヴァントは私のヴァントは私のヴァントハワタシノ」
「クーナ、お前も落ち着け。頼むから姿を消したまま発狂するな」
 斜め前右側。
 何も居ないように歪んだ空間から響き渡る、怨嗟の声に冷や汗と共に言い返し。
「あは★ もー、負け犬さん達の嫉妬なんてねぇヴァントさーん」
「喧しい。暫く黙っていろ、凛」
「その眼、良いです! もっと、もっと蔑んで!」
 自分の隣、バスタオルのみを巻いて汗を拭い笑っている、デューマンの少女ーー凛に殺意を送りながら。
 ――本当に、何がどうなってこうなった。
 灰色の放浪服を纏ったまま、ヴァントは一人、ベットの上で必死に思考を回転させていた。
 ――部屋で昼寝していた筈が、どうして生死の境を放浪する事に繋がるのか、全く。


 時は暫し巻き戻る。

 その日、彼は酷く疲れていた。
 数日間の放浪生活を楽しんでいた矢先に、ヒューイからの援軍要請で、採掘跡周辺に大量に出現したダーカーの群れを片付け、終わった直後に知り合いからのメールを受け取ってナベリウスまで移動。完了した所でウォパルで行方不明者の捜索依頼が飛んできた。半死半生な遭難者をテレパイプで送り返した瞬間に、アムドゥスキアのコ・レラから手合わせ依頼。
 一日に複数の惑星で大量の討伐、情報の収集等をこなし続けた結果、
「――お、お帰りマスター。何、死にかけてない?」
 帰りついた自室の中で、つまみと麦酒片手にくつろいでいたリリィから、冷や汗と共に心配される始末だった。
「暫く寝る」
 最早其れ以上言葉を紡ぐ気力もなく、ヴァントは寝室の扉を開けて、着替えることもせずに寝床という極楽に沈み込んだ。
 いつもならしている『入るな』のプレート準備も、寝室の鍵掛けも忘れて。



 ――あんだけ疲れてんの久々だなー。
 二本目のタブを開けながら、リリィは野菜スティックに齧りついた。
 そもそも戻ってくることも数日ごとのマスターだが、彼が疲れている素振りを見せるのは其れに輪をかけて少なかった。
 部屋に戻ってきても必要作業をこなしてすぐ放浪生活にとんぼ返り。柔らかい毛布に包まれて眠る日より、堅い土の上で眠る日の方が遙かに多い筈だ。
 ――たまにはサポートっぽく何かしてあげようかねー。
 思うだけで、動くつもりはないのだけど。
「さて、あたしも今日はどうしよっかなー」
 キュウリに味噌を絡ませながら、意図なく呟く。
 今日の採集作業は全部済ませた。急ぎの仕事は特にない。故にだらだら麦酒を飲んでいたが――
 ――さっすがに暇だなー。
 さて、誰かいないか――そう考えた、その矢先。
「――ヤッホォォォ! 凛ちゃんだよー!」
 ガラッ、と扉が開いて。
 ついでに巨大な声が響きわたった。
 その向こうから飛び出してきた、小柄なデューマンの少女に、リリィは軽く手を振った。
「あ、りんちゃん。どしたの?」
「ヴァントさん見かけたから突撃ってみた!」
「あぁうん」
 想定した通りの返事を聞いて、軽く苦笑する。
 本人は至って楽しげにダンスしているが。
 彼女――凛は、ユキナミより少し年上な程度の、小柄な少女。ケイコウトウなる刀迷彩を引っ提げて、かなりミニなスカートでくるくると踊っている様子は、年相応よりも低く見える。
 性格はお調子者――と呼ぶには破綻しているレベルだが――かつ、ヴァントに懐いているらしく。たまにこうして突撃してくる。
 恋愛感情なのか絡むのが楽しいだけなのか、少々不確定だが。
 ――これで滅茶苦茶な実力者だっつーんだからわっかんないよねー。
 戦闘能力に関しては、ヴァントからお墨付きを頂いているレベルーー攻撃に特化した、破壊力重視の斬撃の雨霰。共に出かけた際に、遊ぶように飛び回ってそこら中にダガッチャの刺身が出来上がっていったのは、今もなお忘れられない。ユキナミに近い戦闘スタイル、とでも言えようか。
「そんでもってヴァントさんはー?」
「もう寝室行って寝たよ。死にそうな顔してた」
「夜這いチャーンス!」
 止める間もない。止める気もなかった、いつもの事だ。
 ――ま、どうせ鍵かけてるだろーし。
 彼女とて其れは分かっているだろう、いつもの――

 プシュ、と。
 寝室の扉が開いて。

「「え?」」
 思わず、二人同時に声を上げた。
 停止して、くるりと凛がこちらを降り向いてくる。
 リリィは暫し、言葉を失った。彼女もまた、同じようだ。
「――これは、どういう、こと?」
 あからさまな困惑。顔から冷や汗が流れ出ているのは、想定外への混乱か。
 リリィは静かに言葉を紡いだ。
「マ、マスター疲れきってたから……鍵、掛けるの忘れてたかも……」
「そ、そうなんだ……」
 二人して、開いた扉の前で凍り付く。中からは、静かな寝息だけが響くのみ。
「こ、これはホントにチャンス……? で、でもなぁ……リリィ、どうしたらいいこれ?!」
 小声で叫ぶという離れ業を見せる彼女に、リリィは静かに半眼を向けた。
「あんた夜這いとか言ってたじゃん」
「いやホントになるなんて思ってもいなかったよ!?」
 ――だろうなぁ。
 明らかなパニックである。普段の人を食った態度など消えて、はっきりと素の少女に戻っている。
 普段はみゃはみゃは楽しそうに遊んでいるが、いざという時は素に戻るのが彼女である。
 ――多分素で勝負したらクーにゃんともマトっちとも良い勝負しそうなんだけどなー。
 現在、ヴァントにあからさまな好意を向けている少女達を思い浮かべながら、脳内で思考する。
 彼女の其れが親愛であれ恋愛であれ、好意である事には変わらない。
 ――人の恋路はひっかき回して遊ぶに限る、って奴だしね。
 リリィは心の中でにやりと笑った。最後に馬に蹴られて地獄に堕ちるタイプの思考回路である。

 なお、彼女は今日に至るまで恋人いない歴=年齢であることも申し添えておく。

「じゃーさー、思い切ってこんなのはどう?」
 想像できる未来を想定しながら、リリィは困惑する少女へと自分の案の刷り込みを開始した。


「――てな訳で緊急避難してきたー。あたしの事は言わないようにきっちり話しておいたし、多分問題ないっしょ。後ビールに合うおつまみつくってー」
「鬼ですか」
「ぴぴぃ」
 知り合いのアークス――諷雫のマイルーム。
 そこで顔見知りサポートパートナーの椿とマンルーン、先に遊びにでていたラピピが呆れた目を向けるのを、そっと顔を背けて対処した。
「それで、結局何をしたんですか?」
「ぴぴぃ」
「んー? といっても簡単な事だよー、りんちゃんをバスタオル一枚でマスターの横に添い寝させて、クーにゃんとマトっちにその光景を写真データで送りつけただけ。本気で夜這いする気だったら別に送りはしなかったけど、まだそこまで根性なかったっぽいし」
「え、え……」
「マンルーンさん落ち着いて。――あの人の好意は親愛の其れでしょう……」
 顔を赤くしたり青くしたりする部屋の住人マンルーンを宥め、律儀に焼きオクラを出したりしながら、椿が呆れたように肩をすくめた。
「ありがとー。今頃どうなってるかなー」
「僕が入った時はギリギリ正気でしたね」
「え、貴方行ったの?」
「マトイさんに適当な武器をと言われたんで」
「え、もしかしてさっきのクラフト……」
「ぴ?」
「揺れ幅は大きいですがなかなか高威力が期待できますよ」
「できますよ、じゃないでしょうがぁ!!」
「恋愛感情なさすぎなマスターには良い薬になるっしょ、きっと――」

 刹那。
 ドォン、と、大きな花火が打ち上がるような音と共に。
<緊急連絡! アークスルームの一室で大規模な爆発が発生、周囲のアークスは至急待避をお願いします! 繰り返します、至急待避をお願いします! 何があっても彼らに立ち向かおうとしないでください!>
 ひきつったブリギッタの悲鳴に等しい叫び声。本来であれば他アークスを利用しての鎮圧の筈が、矢も盾も構わず逃げろと叫んでいる。
 つまりは、まぁ、そういうことなのだろう。
「――まぁ、良い薬だよね」
「そういうレベルじゃありませんけどね」
「原因が何言ってるの」
「ぴぴぃ」
 二人から向けられるジト目に、リリィと椿は揃って明後日の方を見た。



 全ての収集が付いたのは、六芒の四と六が参戦してから、凡そ一時間ほども経過した後だった。
 物的被害、アークスルームエリアの一室と、近くの訓練場が全壊。人的被害、その当時鍛錬を行っていた優秀なアークス達を含めて五〇を余裕で越えていた。中には騒ぎの原因達と拮抗する者達もいたが、
「犬も食わない争いに巻き込まれるのは、流石に」
「馬にも蹴られちゃう」
「相談ならともかく仲裁はイヤです」
「女性関係となると、僕が止めに入ったら余計こじれそう」
 と全員辞退し事態を静観して生還した。
 なお、被害者の中には六芒の四と六も含まれていたことも、ここに併せて記載しておく。




 ――あとがき。
 やりたい放題書きました(・・ )
 出てきた新キャラ凛を書くためだけの物語になった感じ(・・ ) 例に漏れずフレンドさんです。現在三姉妹でプレイされていて、実力はやはり高く、何よりもスゲー楽しい方で有ります。今回は書けていませんが、いつか残り二人も出したい所です……
 なお、作中では若干「優しく」描写していますことを追記しておきます。
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テーマ : PHANTASY STAR ONLINE2
ジャンル : オンラインゲーム

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リリィちゃん、ナイス(^_−)−☆

あたしも同じ事しそーだよw
まぁー、バスタオルすら掛けないけども...wwww

Re: リリィちゃん、ナイス(^_−)−☆

<り~ぜさん
 わりとエゲツナイ真似を(・・;)
プロフィール

Author:ヴァント
 PSO2世界を旅する、気楽な放浪者の綴り草です。
ツイッターやってます。

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